Outlookでメール送信不可!「操作が失敗しました」エラーが出た時の解決策
「お客様からOutlookでメールが送れないと連絡があった…」
「エラーメッセージが表示されるけど、どう対処すればいいかわからない…」
情報システム担当者やPCサポートの現場では、このようなお問い合わせは日常茶飯事かもしれません。
今回は、実際にあったOutlookのメール送信トラブルを例に、その解決に至るまでの手順を詳しく解説します。同様の症状でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
表示されたエラーメッセージ
まず、お客様の環境で表示されていたエラーメッセージは以下の通りです。
「操作が失敗しました。メッセージング インターフェイスによって原因不明のエラーが返されました。問題が継続して発生する場合は Outlook を再起動してください。」

メールを送信しようとするとこのエラーが表示され、送信トレイにメールが残ってしまうという状況でした。
試したこと①:PSTファイルの修復 (scanpst.exe)
Outlookのトラブルでまず試すべきなのが、**受信トレイ修復ツール(scanpst.exe)**によるデータファイル(.pst)の修復です。
PSTファイルは、メールや予定などのデータを保存している重要なファイルですが、長期間の使用などで破損することがあります。
【scanpst.exeの実行方法】
- Outlookを完全に終了させます。
- scanpst.exeを探して起動します。ファイルの場所はOutlookのバージョンによって異なりますが、一般的には以下の場所にあります。
- Outlook 2016, 2019, 365: C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16
 
- 「参照」ボタンから、修復したいPSTファイルを選択します。  
- 「開始」をクリックしてエラーチェックを行い、エラーが見つかれば「修復」を実行します。 
しかし、今回のケースでは、scanpst.exeを実行しても残念ながら症状は改善しませんでした。
試したこと②:PSTファイルの場所を確認・移動
次に確認したのが、PSTファイルの保存場所です。
調査したところ、PSTファイルが社内の共有フォルダ(ネットワークドライブ)に保存されていることが判明しました。
実は、PSTファイルをネットワーク経由で使用することは、Microsoftによってサポートされていません。 ネットワークが不安定な場合にファイルが破損したり、パフォーマンスが著しく低下したりするリスクがあるためです。
そこで、以下の手順でPSTファイルをPCのローカルフォルダ(例:ドキュメントフォルダ)に移動しました。
- Outlookを終了します。
- 共有フォルダにあるPSTファイルを、PCのローカルフォルダにコピーします。
試したこと③:Outlookプロファイルの再作成(これが決め手!)
PSTファイルをローカルに移動しただけでは、Outlookは新しいファイルの場所を認識できません。そこで、最終手段としてOutlookのプロファイルを再作成しました。
プロファイルとは、メールアカウント設定やデータファイルの場所などを保存している設定ファイルのようなものです。プロファイルを再作成することで、Outlookの設定をリフレッシュし、多くの問題を解決できる可能性があります。
【プロファイルの再作成手順】
- コントロールパネルを開きます。
- 表示方法を「大きいアイコン」または「小さいアイコン」にし、「メール (Microsoft Outlook)」をクリックします。
- 「メール設定」ウィンドウで、「プロファイルの表示」をクリックします。
- 「追加」ボタンを押し、新しいプロファイルに分かりやすい名前(例:Outlook2など)を付けて「OK」をクリックします。
- 画面の指示に従い、メールアカウントを再設定します。
- データファイルの選択画面で、「既存のOutlookデータファイル」を選び、「参照」からローカルに移動したPSTファイルを選択します。
- プロファイルの選択画面に戻り、「常に使用するプロファイル」で新しく作成したプロファイルを選択し、「OK」をクリックして完了です。
この後、Outlookを起動したところ、無事にメールが送信できるようになりました。
まとめ
今回のトラブル解決のポイントは以下の2点でした。
- PSTファイルはネットワークドライブではなく、ローカルPCに保存する。
- PSTファイルの場所を変更した後は、Outlookのプロファイルを再作成して設定を更新する。
「操作が失敗しました」というエラーが表示される場合、単にPSTファイルが破損しているだけでなく、その保存場所に問題があるケースも考えられます。
もし同様のエラーでお困りの場合は、scanpst.exeでの修復と合わせて、PSTファイルの保存場所も確認してみてください。この記事が、お客様のトラブル解決の一助となれば幸いです。

 

